ビル解体現場で一酸化中毒《ニュース解説》
今回は、以下のニュースについて解説します。
事故の概要
事故の概要は以下の通りです。2025年3月6日時点での情報です。
- 日時:2025年3月5日 午前11時半ごろ
- 場所:東京都渋谷区代々木の4階建て建物の解体工事現場
- 被害:作業員3人が体調不良で病院搬送(50代男性)
- うち1人は一時意識不明 → その後回復
- 作業内容:発電機を使用しながらプロパンガスの撤去作業
- 原因の可能性:一酸化炭素中毒の疑い(発電機やガスの燃焼に伴うCO発生)
警視庁は、当時の状況を詳しく調査しているとのことでした。
何が問題?
一酸化炭素発生のリスク
解体工事で使用する発電機、あるいはガスの燃焼が伴う作業では、一酸化炭素(CO)が発生する可能性があります。一酸化炭素は無色透明のため、気づかないうちに中毒症状が発現、進行する可能性があり、作業時から適切な対応が求められます。
換気不足の可能性
解体工事を行う際、解体業者が一番気を付けるのが粉塵や騒音対策です。
特に街中での解体作業の場合は近隣住民やお仕事をされている方の迷惑にならないよう、窓や扉を閉めて作業するケースがあります。つまり、喚起が不十分になりがちなのです。
このような状況下では発電機やガスの燃焼が発生する環境では一酸化炭素濃度が急激に上昇するリスクがあります。
今回の事故の状況ははっきりとはわかりませんが、可能性としては上記のようなことが考えられます。
作業員の安全管理
今回は意識不明になっていたということですから、一酸化炭素中毒の初期症状である頭痛やめまい、吐き気を見逃していた可能性が高いでしょう。
もしかしたら一酸化炭素が発生するリスクをそれほど想定できていなかったのかもしれません。
対策は?
同様の事故を防ぐためには、事前の安全対策が不可欠です。
発電機・燃焼機器の使用ルールを明確化
発電機やガスの燃焼を伴う作業を行う際には、屋内での使用を避ける、使用する場合は必ず換気を徹底するなどの事前準備が必要です。
可能であればバッテリー式の電動工具を使用するなどの対策も有効です。
一酸化炭素検知器の導入
一酸化炭素は無色透明で気づきにくいため、検知器が多く販売されています。
作業員が携帯できるポータブルタイプの一酸化炭素検知器を導入し、一定濃度を超えたら作業員がすぐに気づける環境にしておくことが大切です。
作業環境の換気対策
一酸化炭素対策には何といっても換気が重要です。窓や扉を適時解放し、空気の入れ替えを行う必要があります。
また、状況に応じて送風機や排気ダクトを設置することも有効な対策となるでしょう。
解体工事に粉塵対策はつきものです。閉鎖空間を作る場合には一酸化炭素対策も同時に行うように意識しておきたいものです。
安全教育の徹底
一酸化炭素中毒の初期症状であるめまい、頭痛、吐き気について、作業員に対して周知しておく必要があります。
少しでも異変を感じたら即座に作業を中断し、屋外へ避難するなどの安全教育をしておく必要がある、と考えるべきでしょう。
まとめ
今回の事故では、一酸化炭素中毒の疑いにより作業員3人が搬送されました。幸い全員が危険な状態から回復しましたが、発電機の使用やガス撤去作業を伴う解体現場では、一酸化炭素発生のリスクと換気対策の重要性が改めて確認される事態となりました。
解体工事では、発電機の屋内使用を避ける、換気を徹底する、CO検知器を導入するなどの対策が不可欠です。今後、同様の事故を防ぐためにも、適切な安全管理が求められます。
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