解体工事の見積り解説②~建物解体工事費とは?本体解体の中身を解説

解体工事の見積書を見ていると、「建物解体工事費」や「本体解体費」といった項目を目にすることがあります。
一見シンプルに見えますが、実はこの中には複数の工程や作業が含まれているのが一般的です。この記事では、そんな「建物解体工事費」の中身を、ザックリとわかりやすく解説していきます。

建物解体工事費とは?

「建物解体工事費」とは、その名の通り建物そのものを解体するための費用です。
木造や鉄骨造、コンクリート造など構造によって工法が異なり、費用にも差が出てきます。

木造(W造)

  • 【特徴】柱や梁に木材を使用した構造で、日本の戸建住宅に最も多い。
  • 【解体方法】重機や手作業で比較的スムーズに解体でき、作業が早く済む
  • 【費用】他の構造に比べて費用は安価。ただし、建物の大きさや立地条件によって変動あり。

鉄骨造(S造)

  • 【特徴】鉄骨フレームに外壁や屋根材を組み合わせた構造。倉庫や事務所、アパートに多い。
  • 【解体方法】鉄骨の切断が必要なため、油圧ショベルに専用アタッチメントを装着したり、ガス切断機を使用したりして行われる。重機作業が中心。
  • 【費用】木造より高め。鉄くずとしてリサイクルできるため処分費は一部抑えられるが、解体作業はやや複雑。

鉄筋コンクリート造(RC造)

  • 【特徴】柱・梁・壁に鉄筋入りコンクリートを使った非常に頑丈な構造。マンションやビルに多い。
  • 【解体方法】大型の重機やブレーカーを使って時間をかけて砕く必要がある。
  • 【費用】最も高額になりやすい。騒音・振動対策や粉じん対策なども必要。

本体解体にはどんな作業が含まれている?

建物の解体は、いきなり壊し始めるわけではなく、いくつかの段階に分けて進められます。

例えば…

  • 屋根材や内装材などを事前に撤去する作業
  • 重機や手作業による建物の解体
  • 地中にある基礎コンクリートの撤去
  • 廃材の分別と搬出

といったように、工程ごとに細かな作業が積み重なっているのが特徴です。
昔のミンチ解体のように一気に解体して解体ゴミも一括で処分していたころと違い、現在は分別解体が義務付けられています。工数が増えた分、人件費や重機のリース料(あるいは損料)も昔よりは多くなっています。

見積書では「一式」か「分けて記載」されることが多い

業者によっては、「建物解体工事費 一式」としてまとめて記載するケースもあれば、 屋根撤去、内装撤去、上物解体、基礎解体といったように作業別に分けて記載する場合もあります。日本クレストの場合は、一旦「一式」として建物解体工事費合計を記載した後、別ページでその内訳を記載しています。

もちろん、細かく書かれている方が、内容を把握しやすく、後からのトラブル防止にもつながります。見積りをもらった段階で一式としか書かれてない時は要注意です。必ず他の業者にも見積もりを取るようにしましょう。

建物解体費だけがすべてじゃない

本体解体は解体工事の中心ともいえる工程ですが、それだけで全ての費用がまかなえるわけではありません。西行廃棄物処分費や外構撤去費など、建物解体費よりも高額となる費用もあります。

  • 足場や養生などの仮設工事費
  • ブロック塀や物置などの付帯物撤去費
  • 廃材の処分や運搬にかかる産業廃棄物処分費

など、全体で複数の費用が発生します。

まとめ

建物解体工事費は、「建物そのものを壊す費用」のこと。
その中にはいくつもの作業が含まれており、見積書では一式でまとめられていることもあれば、分けて記載されている場合もあります。
解体工事の見積りを正しく理解するには、「何が含まれているのか?」をザックリでも把握しておくことが大切です。