《ニュース解説》千代田区神田の解体工事現場で一酸化炭素中毒事故発生 ― アスベスト除去中だった
千代田区神田で発生した解体工事現場での事故について解説します。
事故の概要
発生日時:2025年3月27日 午後3時40分ごろ
場所:東京都千代田区神田小川町3丁目、5階建てビルの解体工事現場
状況:
- 現場では20名以上がアスベスト除去作業中
- 発電機2台が3階で稼働
- 密閉状態だった4階で複数名が倒れる
- 計16人が救急搬送、40代男性1名が一時心肺停止(後に意識回復)
- 1人が現在も入院中だが、命に別条はないと見られる
何が問題だったのか?
今回の事故はアスベスト作業中に起きたと報道されています。
アスベストの除去作業では、通常、飛散を防ぐために養生が行われ、作業場は密閉空間となるはずです。

最大の問題は、その密閉空間で発電機を使用したことです。消防・警察の見立てでは、換気が不十分なまま発電機を稼働させたことで、一酸化炭素(CO)が危険な濃度まで蓄積したとされています。
報道では発電機の種類は明記されていませんが、「排ガス」と「一酸化炭素中毒」というキーワードから、内燃機関(エンジン式)の発電機だったと推測されます。電気式やバッテリー式の発電機であれば排ガスが出ず、このような中毒事故は起こり得ません。
そのため、発電機に原因を求めるのであれば、ガソリンやディーゼルなどの燃料を燃やすタイプ、いわゆる「エンジン式」であった可能性が極めて高いと考えられます。
作業現場が密閉された状態だったことが、CO濃度の急激な上昇に繋がったのではないでしょうか?
なぜ屋内でエンジン式発電機が危険?
エンジン式発電機は燃焼により大量の一酸化炭素を排出します。一酸化炭素は無色・無臭で感知しづらく、高濃度になるとわずか数分で意識を失い、死に至ることもある非常に危険なガスです。
通常、こうした機器は屋外または十分な換気のある場所での使用が原則です。
今回は解体中のビル内で換気が不十分な中、2台の発電機が同時に稼働していたため、COが急速に充満したものと見られます。
今後取るべき対策とは?
今回の事故は、密閉空間でのエンジン式機器の使用と安全管理体制の不備が引き金となった可能性が高いのではと推測されます。
再発防止のためには以下のような対策が必要です。
- 発電機使用時の換気体制の厳格化
- 一酸化炭素濃度を監視する警報機の設置
- バッテリー式や電気式発電機への切り替え検討
- 使用機器の種類や設置場所に関する作業手順書の明文化
- 作業員への定期的な安全教育と訓練
また、今後は元請・下請の安全責任の所在、現場パトロールの頻度、密閉状態での作業リスクなどについても、より厳格なチェック体制が求められるでしょう。